経歴と画家としての歩み

山を描き、心を描く。教師から画壇の巨星へ
1898年、福岡県八女郡北山村に生まれ、本名は田崎廣次(ひろじ)。福岡師範学校第二部を卒業後、小学校の図画教師として勤めながら画業を志します。坂本繁二郎や安井曽太郎の指導を受け、関西美術院でも研鑽を積みました。
1920年に上京し、本郷駒本小学校で教鞭を執りつつ制作を継続。1926年には二科展に初入選を果たし、1932年には渡仏。パリでの滞在中にはサロン・ドートンヌ賞を受賞し、帰国後は一水会創立に参加。一水会賞、佐分利賞などを受賞し、戦後は日展審査員、理事、顧問も歴任しました。

作風と技法

阿蘇、富士…山とともに生き、山に祈る
田崎の作品の主題は一貫して山です。阿蘇、富士、八ヶ岳、浅間山など日本各地の山岳を題材にし、その稜線や大気、光の移ろいを力強い筆致と重厚な色彩で表現しました。
山岳をただ風景として描くのではなく、精神の象徴として捉えるその画面には、仏教的な静けさと自然讃歌が共鳴します。

評価と受賞歴

文化勲章、芸術院賞…国際的にも評価された山岳画家

●1961年:日本芸術院賞受賞
●1967年:日本芸術院会員に選出
●1974年:文化勲章受章、文化功労者にも選定
●ブラジル政府より複数の勲章授与(日伯美術交流による)

また、戦後には国際展出品や日伯現代美術展の主導など、国際文化交流にも力を注ぎました。

記念館・作品収蔵

自然とともに、後世へ生き続ける筆跡
現在、長野県軽井沢には《田崎美術館》があり、また故郷八女市にも《田崎廣助美術館》が開館し、多くの作品が収蔵・展示されています。
代表作には《阿蘇山》《富士遠望》《雪の八ヶ岳》《赤富士》などがあり、国内外の美術館や公的機関にも収蔵されています。

田崎廣助とは何者だったのか

田崎廣助は、洋画技法に日本人の自然観を融合させた“精神の山岳画家”でした。その画面には、風景を越えた祈りと畏敬の念が宿り、観る者の心を静かに打ちます。
「山を描くことは、生きること」
そう語りかけてくるような作品群は、今なお多くの人々に深い感動を与え続けています。

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