美術品を売却する際、「この作品はいくらになるのだろう?」という疑問は誰もが抱きます。
しかし、実際の市場では、同じ作家・同じ作品であっても「いつ売るか」によって査定額が大きく変動することがあります。
株式や不動産のように、美術品も「市場の波」によって価格が上下します。国際オークションの動向や季節的な要因、展覧会開催といった外部要素が、売却価格を左右するのです。
本記事では、美術品を「高く売る」ために押さえておきたいタイミングと、市場の読み方をわかりやすく解説します。
美術品市場の価格形成に最も大きな影響を与えるのは、国際オークション(Sotheby’s、Christie’s、Phillipsなど)です。
特に現代アートの有名作家は、ニューヨーク、ロンドン、香港といった拠点での落札結果が、即座に世界中の査定額に反映されます。
注目すべきポイント
売却戦略としては、国際オークションで高額落札が出た直後が「売り時」となるケースが多いといえます。
オークションは、春(5月前後)と秋(11月前後)に大規模なセールが集中します。
この時期はコレクターや投資家が積極的に市場に参加するため、作品需要が高まります。
一方、夏や年末年始は市場が閑散期となり、売却価格も落ち着く傾向があります。
「売却を急がない場合は、春か秋を狙う」のが基本戦略です。
作家本人や代表的なモチーフが、展覧会や大規模な回顧展で取り上げられると、その時期に市場が活気づきます。
また、没後記念年や生誕記念年は、メディア露出とともに需要が拡大します。
実例
展覧会の情報は事前に公開されるため、売却予定作品の作家が取り上げられるとわかれば、その直前〜会期中に売却を検討するのが有効です。
美術品はグローバルに取引されるため、経済情勢や為替相場の影響も無視できません。
売却を検討している作品が海外でも人気の作家であれば、為替レートや株式市場の動きもチェックすることが重要です。
作家ごとに「人気のモチーフ」や「評価が高まる時期」が存在します。
例:村上隆のお花シリーズは、海外での展覧会やブランドコラボ発表時に取引件数が増加し、価格も高騰しました。
売却前に「いまは売り時か?」を判断するための簡易チェックリストをご紹介します。
美術品の価格は、作品そのものの価値に加え、市場のタイミングによって大きく変動します。
国際オークション、季節、展覧会、経済情勢、作家の動向――。これらを総合的に判断することで、最適な「売り時」を見極めることができます。
アートビリオンでは、こうした最新の市場情報を踏まえて、売却のタイミングをお客様と一緒に検討しています。
「いま売るべきか、もう少し待つべきか」と迷ったら、ぜひ一度ご相談ください。
専門家が最適な戦略をアドバイスし、大切な作品を最も良い条件で次の持ち主へつなぎます。