略歴とキャリア

1932年、韓国に生まれ、1956年に国立ソウル大学美術大学を卒業。1967年に渡仏し、1969〜1977年には日本・神戸に滞在するなど、アジアと欧州を往復しながら制作活動を続けました。

1970年代、朴栖甫、李禹煥、尹亨根、金昌烈らとともに単色美術運動を牽引。韓国美術を西洋的模倣から解放し、素材と制作過程を作品の本質とする新しい美術観を提示しました。

ソウル、東京、パリをはじめ、世界各地で展覧会を開催し、国際的な評価を獲得。彼の哲学「制作そのものが作品の一部である」は、次世代のアーティストにも大きな影響を与えました。

作風とテーマ

⚫︎反復と時間の積層
塗料を幾層にも塗り、その表面を剥ぎ取り、再び塗り重ねる工程を繰り返し、ナイフでマス目状に掻き削ることで、下層の色彩や質感を露出させる。均質性の中に無数の痕跡と時間の経過を封じ込める。

⚫︎精神性と哲学
単色美術の理念に基づき、画面は色彩的な華やかさよりも、素材そのものの存在感と作家の精神的集中を表現。静謐な構成の中に、制作過程と思想の痕跡が滲み出る。

⚫︎国際的展開
韓国、日本、フランスを拠点に、アジアと西洋の美術界を橋渡しする活動を展開。作品は国内外の美術館・コレクションに収蔵され、オークション市場でも高額落札を記録。

代表作

《無題(Untitled)》シリーズ
白や淡色を基調に、全画面にマス目状のパターンを刻んだ単色画の代表作。塗料層の剥離と露出が独自のリズムを生み出す。

《グリッド・ペインティング》
規則的な格子状構成と偶然の痕跡が融合し、時間の流れと人間の痕跡を同時に感じさせる作品群。

市場評価と近年の動向

鄭相和の作品は、サザビーズやクリスティーズなど国際オークションで高値を記録し、特に1970〜80年代制作の大型キャンバスは高額落札が相次ぎます。韓国国内外での回顧展やグループ展への参加も増加し、単色美術の再評価とともに市場価値も上昇傾向です。

素材と時間、精神性を結晶化させた単色美術の象徴的存在

鄭相和の画面に刻まれたマス目は、単なる装飾ではなく、制作の痕跡と精神の軌跡を映すもの。国際市場でも高く評価されるその作品は、美術史的にもコレクション的にも大きな価値を持っています。

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