横尾忠則(よこお ただのり、1936年〜)は、日本の現代美術界において“唯一無二”と形容される存在です。
グラフィック・ポスターの鬼才として世界に名を轟かせ、のちに画家として新境地を切り拓いた横尾忠則は、「時代」「死」「夢」「神秘」「セクシュアリティ」「日本的無意識」といった主題を、圧倒的な色彩とビジョンで描いてきました。
⚫︎ポップでありながら、どこか恐ろしく不安なイメージ
⚫︎東洋と西洋、キッチュと神聖が混在する構図
⚫︎描き手自身の“霊的な体験”すら作品に昇華させるアプローチ
これらの要素により、彼の作品は時代を超えて観る者を惹きつけ、近年では特にアートマーケットでも再評価が進んでいます。
1936年:兵庫県西脇市に生まれる
1960年代:資生堂・三島由紀夫・寺山修司などと関わり、グラフィック界で注目を集める
1980年以降:「画家宣言」を経て本格的に美術作品へ傾倒
2000年代〜現在:国内外の美術館で回顧展多数、近年は自身の死をめぐる作品も増加
西脇市には〈横尾忠則現代美術館〉が存在し、現在も精力的に創作を続けている
横尾の表現は時に「過剰」「混沌」「不協和音」と評されますが、そこには一貫して“死生観”と“芸術の力”への畏怖と信頼があります。
『遺作シリーズ』:自身の死を先取りするように描いた作品群
『TADANORI YOKOO POSTER COLLECTION』:世界のデザイン史に名を刻む伝説のポスター群
『浴室シリーズ』:日本的空間と死のイメージが交錯する
『三島由紀夫のポートレート』:演劇性と政治性を帯びた作品
彼の作品は、ポスターから油彩まで一貫して“視覚的過剰”に満ちていますが、そこには日本人の内面や死生観、宗教観を抉り出すような力が宿っています。
⚫︎死と芸術、霊性の主題がポストコロナ以後の時代感覚と一致
⚫︎海外でのコレクター層が拡大(特にアジア圏)
⚫︎若年層に刺さる「ポップと超現実の混交」スタイル
⚫︎歴史的文脈:ウォーホル・エッシャー・寺山・ダリなどと比較される立ち位置
⚫︎近年の個展(東京国立近代美術館、横尾忠則現代美術館など)での動員力と話題性
横尾の作品は単なる“奇抜さ”ではなく、視覚を通じて「人間とは何か」「死とは何か」といった根源的な問いを突きつけるものです。
⚫︎ポスター原画・初期ドローイング:100万〜800万円
⚫︎油彩作品(80年代以降):600万〜2,000万円
⚫︎浴室・遺作シリーズなど代表的モチーフ:1,500万〜3,000万円
⚫︎版画作品:50万〜300万円
⚫︎三島由紀夫関連・書籍装丁原画:300万〜1,200万円
希少な原画や人気シリーズの価格は年々上昇しており、特に死生観を主題にした「遺作シリーズ」はコレクター垂涎の的となっています。
⚫︎作品の状態(保存状態、退色、額装有無)
⚫︎署名・制作年・展覧会歴・図録掲載の有無
⚫︎ポスター等であれば初版かどうか、刷数の記載
⚫︎作品テーマとシリーズの文脈理解
横尾忠則作品はジャンル・媒体が多岐にわたるため、専門的知見による正確な査定が必須です。
当社では、美術館収蔵候補となるような横尾作品の取り扱いも豊富にございます。お気軽にお問い合わせください。