大竹伸朗(おおたけ しんろう)は、日本の現代美術を代表するアーティストのひとりです。
1955年、東京生まれ。1980年代以降、日本のポストモダン芸術を切り拓く存在として、国内外の美術界で高く評価されてきました。
彼の作品は、「スクラップ・アンド・ビルド」「リミックス」「記憶の視覚化」といったキーワードで語られます。
貼る・描く・縫う・組む・継ぎはぐなど、異素材やイメージを何層にも重ねて生まれる作品は、圧倒的な物質感と情報量を伴いながら、個人の記憶と世界の歴史の断片を結びつけるような詩的な強度を持っています。
大竹伸朗は多摩美術大学を卒業後、ロンドンに渡りチェルシー・カレッジ・オブ・アートで学びました。
帰国後は東京を拠点に活動を展開し、1980年代の「ニューウェーブ」世代として注目を集めます。
その後、四国・宇和島に移住し、地方から世界へと発信するユニークなスタンスを確立。都市と辺境、文明と廃墟、記憶と忘却といった両極の間を漂うような作品を次々に発表してきました。
《ダブ平》シリーズ
新聞、雑誌、布、スクラップなど多種多様な素材をコラージュし、独特の“情報の断片の集積体”として構築されたシリーズです。
混沌としながらもどこかユーモラスであり、現代社会の情報過多や個人の記憶の断裂を象徴しています。
《網膜画》シリーズ
“目に焼きついたイメージ”を描き起こすというコンセプトで、情報や風景が断片的に層を成す抽象的なペインティング作品群です。
鑑賞者の網膜にも何かを残すような、感覚的かつ身体的な絵画世界が展開されています。
《直島銭湯「I♥湯」》
アートと建築、地域社会を融合させた名作。大竹がプロデュースした直島の銭湯施設は、観光資源としても大成功し、“生きたアート”として高く評価されています。
ヴェネツィア・ビエンナーレ(日本館)出展(1993年)
森美術館(東京)での大規模回顧展「全景」(2006年)
ニューヨークのギャラリーでの個展も多数
大竹伸朗の作品は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やポンピドゥー・センター(パリ)など、世界的な美術館にも所蔵されており、アジアを代表する現代アーティストの一人といっても過言ではありません。
大竹伸朗作品は、絵画・立体・コラージュ・版画など幅広く展開されており、特に一点物の作品は希少性と物質感の強さから市場価値が非常に高い傾向にあります。
⚫︎原画(キャンバス・ミクストメディア):300万円〜2,000万円以上
⚫︎立体・インスタレーション断片:500万円〜数千万円
⚫︎版画・シルクスクリーン:30万円〜200万円
⚫︎ZINEや自主制作の書籍:5万円〜50万円以上(希少品はさらに高額)
大竹伸朗の作品は、作品ジャンルや素材、発表歴などによって査定金額に大きな幅が出るのが特徴です。
以下の情報をもとに、より正確な査定が可能となります。
⚫︎購入時の領収書・作品証明書の有無(COA)
⚫︎所有作品のサイズ、素材、制作年
⚫︎展覧会や書籍への掲載歴
⚫︎額装や保存状態
当社では、現代アート専門の査定士が一点一点丁寧に拝見し、最新の市場動向に基づいた適正な価格と売却戦略をご提案いたします。
混沌、ノイズ、断片、そして再構築。
大竹伸朗の作品は、現代に生きる私たちが無意識に抱える情報や記憶の蓄積を、視覚的に翻訳した装置のようなものです。
見るたびに新しい発見と違和感を与えてくれるその作品群は、コレクターにとっても、**長く付き合うにふさわしい“生きた芸術”**といえるでしょう。