にじむような輪郭、どこか遠い記憶の中に登場したような人物たち。
村瀬恭子の作品は、子どものようでいて、子どもではない。
大人の理性と、幼年期の感覚の狭間をたゆたうような不思議な存在感を漂わせます。
その作品は、絵画でありながら刺繍のような質感を持ち、時間の堆積を感じさせる。個人の記憶と社会の記録のあいだに浮かぶ情景を、やわらかな形で私たちに提示します。
1963年東京都生まれ
1980年代後半ドイツ・デュッセルドルフ芸術アカデミーにて学ぶ
1990年代ドイツを拠点に活動し、刺繍による絵画表現を確立
2000年代以降国内外で個展・グループ展に多数出品
2019年金沢21世紀美術館での大規模個展「うつくしい日々」で再評価の声高まる
ヨーロッパで評価を得たのち、日本国内で再注目され、近年は美術館収蔵やコレクターからの需要も安定しています。
《無題》シリーズ 少女のような人物や動物、木々が静かに佇む。刺繍と絵画が交差する幻想的作品群
《私の島》個人の内面と外界の風景を融合させたような詩的インスタレーション
《ドレス》布や糸で作られた衣服のオブジェ、記憶の「殻」を思わせる造形
《夢見る少女たち》シュルレアリスム的な構成が際立つ初期代表作群
作品に通底するのは「儚さ」「やさしさ」「不穏のなかの静けさ」。そこには、見る者の記憶を呼び起こす力があります。
⚫︎小型ペインティング作品30万〜80万円前後
⚫︎刺繍や布を使った中型作品80万〜200万円
⚫︎インスタレーション構成作品200万〜400万円(プロジェクト規模による)
⚫︎美術館出展歴や国際展出品作300万円以上の評価例もあり
希少性の高い作家であり、特に初期ドイツ期の作品や個展図録収録作は市場でも高評価。女性コレクターを中心に人気が広がりつつあります。
⚫︎制作年・制作地の確認(特に1990年代ドイツ期は評価高め)
⚫︎布作品・刺繍作品の保存状態は評価に直結
⚫︎展覧会出品履歴・図録掲載歴の有無が査定額に影響
⚫︎村瀬本人または取り扱いギャラリーによる証明書があると有利