会田誠(あいだ まこと)は、日本の現代アートを語る上で決して外せない、最も挑発的で論争的な作家のひとりです。
1965年、新潟県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。
性、暴力、権力、戦争、歴史、サブカルチャーなどのテーマを扱いながらも、卓越した絵画技術と知的な批評性を併せ持つその作風は、国内外で高く評価されています。
会田誠は、東京藝術大学で正統的な絵画教育を受けながら、その枠を自らの手で破り続けてきたアーティストです。
90年代以降、日本美術界において「アートはきれいなものであるべき」という前提を覆す作品群で注目を集めました。
彼の代表作には、《巨大フジ隊員VSキングギドラ》や《美しい旗》など、過激かつ風刺的なものが多く、常に議論を巻き起こしてきました。
「炎上する絵画」のような表現
彼の作品はしばしば「不謹慎」「過激」と評されますが、それはあくまで社会に対する鋭利な観察と批評の結果です。
特に、少女像と軍事、ポップ文化と暴力が交錯する作品は、見る者に深い葛藤と問いを突きつけます。
緻密な筆致と伝統技術
過激なテーマにもかかわらず、絵画としての完成度は非常に高く、日本画や古典西洋画の構図・筆法を巧みに再構成しています。
そのため、美術的価値においても国内外で高く評価されています。
“茶化し”と“本気”のあいだ
会田は、インタビューなどで自作について「ふざけている」と語ることがありますが、そこには**現代社会への強烈な諧謔(アイロニー)**が込められています。
これは単なる「炎上商法」ではなく、笑いを武器にしたアートとしての真摯さの表れです。
「天才でごめんなさい」(森美術館、2012-13)
ヴェネツィア・ビエンナーレ(2001年)出展
「三十路(みそじ)〜会田誠三十年の軌跡〜」(青森県立美術館)
「あいちトリエンナーレ2010」「横浜トリエンナーレ2014」参加
どの展覧会でも、来場者の評価とメディアの論争が同時発生するほどのインパクトを持っています。
会田誠の作品は、その希少性と強い個性ゆえにコレクターの間で高い需要を誇り、オークション市場でも注目度が高い作家です。
キャンバス作品(大型・肉筆)1,000万円〜6,000万円以上
ドローイング、インク作品(サイン・証明付)200万〜800万円
エディション作品(版画、立体、オブジェ)30万〜300万円
コンセプトアートや関連資料 コレクター間で独自に高額取引されることも
社会的評価と市場価値が連動する珍しいタイプの作家で、作品の内容によってプレミアムが大きく変動します。
会田誠の作品をお持ちで、売却を検討中の方は、専門的な知識と美術史的評価に基づいた適正査定が重要です。
以下の情報をご準備いただけると、よりスムーズです。
作品の画像(正面、署名部分)
技法(絵画、ドローイング、立体など)
サイズ・制作年
購入履歴や証明書類(COA、領収書など)
当社では、現代美術に精通した査定士が、会田誠作品の特性をふまえた買取価格を提示いたします。
会田誠の作品は、「不快」「面白い」「天才」「最低」といった相反する感情を同時に喚起します。
その矛盾こそが、現代という時代の写し鏡。
「芸術とは何か」「社会とは何か」を根源から問い直す会田誠のアートは、今後ますます評価を高めていくことでしょう。