山口晃(やまぐち あきら)は、現代日本を代表する美術家の一人です。
彼の作品は一見すると伝統的な日本画のように見えますが、その中に自動車やサラリーマン、高層ビルなどの現代的モチーフが溶け込んでいます。
彼が描くのは、江戸時代と現代が同時に存在する“もうひとつの日本”の姿です。
細密な筆致と緻密な構成、そして洒脱なユーモアに満ちた作品世界は、見る人を思わず引き込まずにはいられません。
山口晃は1969年、東京都生まれ。小さい頃からマンガや機械に興味を持ち、美術系高校から東京芸術大学絵画科油画専攻に進学しました。
デビュー当初は油彩作品も発表していましたが、徐々に日本画の構図や筆法をベースにした独自の線画作品へと移行。
2000年代からは、美術館や公共施設の大型作品を多数手がけるようになり、その唯一無二の画風が話題を呼びます。
⚫︎現代を江戸で描く構図
山口晃の最大の特徴は、歴史的な構図の中に現代の風景や人物が溶け込む点にあります。
例えば、戦国武将がオフィスチェアに座っていたり、電車が江戸の町を走っていたり。
それはまるで、「日本とは何か?」という問いを笑いながら突きつけてくるかのようです。
⚫︎細密な筆致と“冗談”の絶妙なバランス
美術史的リテラシーのある者ほど気づく、西洋画・浮世絵・アニメの引用が作品の随所に散りばめられています。
それらを真面目な技巧で描きながら、ユーモアやパロディを忘れない姿勢が、多くのファンを惹きつけています。
⚫︎画家本人も作品に登場
時には自画像として“画家本人”が作中に登場することも。
自らを「画家マシーン」として描くなど、メタ的視点や自嘲的なウィットも山口作品の醍醐味です。
⚫︎「すゞしろ日記」シリーズ(週刊モーニングにて連載)
⚫︎個展「山口晃展 ちこちこ小間ごと」(水戸芸術館、2009年)
⚫︎東京駅丸の内北口ドームの天井画(2012年)
⚫︎大河ドラマ『いだてん』メインビジュアル原画(2019年)
⚫︎2024年 金沢21世紀美術館 個展開催
作品は、現代アートとしてだけでなく、建築・都市・交通といった“日本の構造的イメージ”の探究としても高く評価されています。
山口晃の作品は、美術館や公的コレクションに多数収蔵されており、市場流通量は比較的少なめです。
その希少性と評価の高さから、二次市場でも安定した高値を維持しています。
⚫︎原画(ペン・インク・水彩など):300万〜1,500万円以上
⚫︎ドローイングやスケッチ:100万〜500万円
⚫︎版画・リトグラフ(限定エディション):30万〜150万円
⚫︎書籍連動作品やポスター原画:80万〜300万円
独特の作風で熱心なコレクターが多く、作品の希少性が価格を押し上げる傾向にあります。
山口晃の作品を売却したい方、相続などで手元に作品がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
以下の情報をご用意いただくと、より正確な査定が可能です。
⚫︎作品の全体画像およびサインの写真
⚫︎技法(ペン、インク、版画など)とサイズ
⚫︎制作年・発表歴
⚫︎購入時の証明書類(COA、領収書等
当社では、現代日本画・線描作家に精通した専門チームが丁寧に査定し、適正価格での買取をご案内いたします。
山口晃の作品は、時代のズレや文化の矛盾を笑い飛ばしながら、私たち自身のアイデンティティや歴史感覚をゆさぶる存在です。
江戸から現代へ、笑いから哲学へ――。
この“異端の絵師”が見せる風