コムロタカヒロは、1980〜90年代のSF・ホラー・ファンタジー映画やアクションフィギュア、ソフビ人形、そして古代彫刻からの影響を受け、木彫によって“神像のようなトイ”を制作する現代彫刻家です。
おもちゃの拡大、異形の再解釈、崇高と幼児性の混交——そうした要素が、コムロの作品に独特の神話性と視覚的強度を与えています。
東京藝術大学大学院彫刻専攻修了後、2010年代初頭より国内外のギャラリーで個展・グループ展を重ね、木を素材としたフィギュラティブな造形と、どこか不穏で懐かしい世界観により、アートファン・デザイナー・ポップカルチャー層から幅広い支持を得ています。
「かつて見たはずの怪物は、こんなにも静かに佇むのか」
コムロの彫刻は、見る者の記憶と想像を喚起しながら、現代の造形精神に根ざした“存在のイコン”として、ひそやかに世界を更新し続けています。
1985年、東京都に生まれる。
2009年、東京藝術大学 美術学部彫刻科 卒業。
2011年、同大学大学院 美術研究科 修士課程彫刻専攻 修了。
2011年、H.P.FRANCE WINDOW GALLERYでの個展「reanimate」以降、東京を拠点に彫刻作品を発表し続け、アートフェア東京、銀座蔦屋書店、The Anzai Galleryなどで精力的に個展・展示を開催。
2020年代には「WILDERNESS」「WHITE HOLE」「TOXIC SWAMP」など、神話・生命・カオスを連想させるシリーズを発表。
アートフェアを通じて国内外の評価を高め、アメリカ、台湾、フランスなどでもグループ展・フェアに参加。
コムロの作品は、「彫刻」という伝統技術を軸としながらも、ポップカルチャーと信仰造形を融合させるような“神性を帯びた玩具”的世界観に特徴があります。木という素材の温もりと、意図的に残された彫りの痕跡が、どこか懐かしくも異質な存在感を作品に宿らせています。
・木彫で構築される“神像=フィギュア”
古代彫刻の荘厳さとソフビ玩具の無邪気さを共存させた形態は、見る者の感情を越境させる。
・ポップとスピリチュアルの交錯
巨大な目、誇張されたフォルム、宇宙的な象徴など、遊戯と儀式のあわいをたゆたう表現。
・“懐かしさ”と“異物感”の同居
80〜90年代カルチャーへのオマージュを含みつつ、木の質感と重層的な着色が不穏な静けさを生む。
・彫刻による“拡大”と“変形”の操作
おもちゃのサイズ感や構造を、木という重さのある素材で変形・拡張することで、鑑賞者のスケール感覚を撹乱する。
●《WHITE HOLE》シリーズ(2021)
宇宙の始まりと終焉、無の反転をテーマに、抽象化された神像的フィギュアを木彫で構成。
●《TOXIC SWAMP》(2022)
有機物と毒性、進化と退廃の交錯を木彫と着色で表現。アートフェア東京での出品作。
●《Vortex》(2019)
螺旋、目、渦といったシンボルを取り入れ、視線と意識を誘導する構造が特徴。銀座蔦屋書店で発表。
●《DYSTOPIA》(2013)
初期代表作のひとつ。社会や記憶の断片を怪物的フォルムに託した挑戦的な一作。
コムロタカヒロの作品は、ジャンル横断的な造形力と独自の世界観によって、現代彫刻・ポップカルチャー双方のコレクターから注目を集めています。
とくにアートフェア東京、銀座蔦屋書店での展示歴をもつ作品群は安定した評価を得ており、近年は海外フェアへの出品も増加傾向にあります。
● 小型立体作品:約20万〜50万円前後
● 中〜大型作品:約80万〜200万円前後(素材・展示歴・サイズによる)
● インスタレーション的要素を含む作品:応相談(展示設計の規模に応じて)
アート、デザイン、トイカルチャーの境界を越えた造形表現として、今後の展開に期待が寄せられています。
コムロ タカヒロの木彫作品は、ノスタルジーと崇高さ、遊び心と畏れの感覚を同時に喚起します。
それはまるで、古代から来た未来のおもちゃ——記憶の中の神像と、夢の中の怪物が重なり合った存在です。
木の中に宿された魂と、削られた痕跡が語る物語。
その静けさは、ときに言葉より雄弁に、私たちの奥深くに“存在するという不思議”を響かせてくれます。
神話する彫刻/フィギュア×アートのご相談承ります。