谷口正造は1990年に愛媛県で生まれ、現在は東京を拠点に活動する現代美術作家です。絵画、ドローイング、立体作品など幅広いメディアを自在に駆使し、国内外の展覧会で高く評価されています。2011年にイラストレノートのノート展編集部賞を皮切りに、2014年には奈良美智らが審査員を務めるFOIL AWARDを受賞。以降、吉祥寺キチムでの連続個展や2022年の大規模個展と初作品集『My Song』の刊行など、着実にキャリアを積み重ねています。近年は海外のギャラリーでも個展を開催し、国際的な注目度も増しています。
谷口の作品は、幻想的で優しい世界観が根底にあります。馬や家、少年少女、アメ車、蝶の羽根を持つ少女など独特のモチーフが多彩に登場し、特に馬を描いた作品では、目を閉じた馬の背中に家が乗っている静謐で詩的なシーンが印象的です。色彩は鮮やかでありながら柔らかなタッチが特徴で、アクリルやペン、パステル、コラージュなど多様な画材を駆使し、感情のきらめきや憧れを繊細に表現しています。
また、谷口は可愛らしいキャラクターを通して、喜びや悲しみ、憧れといった人間の複雑な感情を描き、多くの鑑賞者の共感を呼んでいます。さらに平面作品に加え、立体やコラージュ作品も積極的に制作しており、表現の幅の広さも彼の大きな魅力となっています。
2022年刊行の初作品集『My Song』は、彼の多彩な世界観を凝縮し、平面から立体まで多様な作品群を収録。作品集発表と連動した同名の大規模個展も大きな話題となりました。その他、近年の代表的な作品には「SUNGOES DOWN」や「SKY BLUE SKY」などがあり、これらはオークションでも高額で取引されています。
谷口正造の作品はアート市場で注目されており、特に2023年には「SUNGOES DOWN」が約368万円、「SKY BLUE SKY」が約253万円で落札されるなど高額落札が相次いでいます。今後も国内外での評価上昇が期待されている作家です。
谷口正造は、鮮やかで詩的なイメージと独自のモチーフを通じて、現代の感情や憧れを繊細かつ力強く表現する現代美術家です。日本をはじめ世界中での個展や作品集、そしてアート市場での高評価を背景に、今後ますます活躍が期待される注目の若手アーティストと言えます。