1992年生まれの矢入幸一は、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、東京を拠点にグラフィックアーティストとして活動を開始しました。彼はロンドンや韓国を含む国内外で多数の個展を開催し、レコードジャケットのデザインやキャラクターデザイン、アパレルブランドとのコラボレーションなど多彩な分野で活躍しています。もともとはデザイナーとしてクライアントワークをしていましたが、自身の絵をより見せることを目指しアーティストへ転身。街中の個性的な人物観察を元にしたシリーズも制作しています。
矢入の作品は主にモノクロを基調とし、オールドカートゥーンスタイルのペインティングが中心です。レトロで可愛らしいキャラクターや独特な仕草が目を引きますが、その裏側には現代社会への問題意識やシュールで不思議な世界観が隠されています。デジタルとアナログの技法を自在に組み合わせ、形骸化しつつある「可愛い」モチーフをあえて手描きで表現し、表層の可愛さを超えた深みのある物語性を生み出しています。また、街中の散らばったゴミや無視されるような風景、目に見えない存在に視点を向けることで、日常の周縁に存在するものを掘り下げる作風が特徴です。
2022年にはGALLERY TARGETにて個展「SCENE」を開催。
2024年にはSAI MIYASHITA Parkにて「Koichi Yairi 24,#1」展を開催予定。
国内外で多数の個展を重ねるほか、レコードジャケットやアパレルブランドのコラボも積極的に手掛けています。
矢入幸一の作品はオークション市場で高い評価を獲得しつつあり、買取相場はおおむね30万円から150万円の範囲で推移しています。作品の状態やサイズ、展示歴が査定に影響しますが、人気の高まりにより今後さらに価格上昇が期待されています。特に個展で発表された大型作品や限定コラボ作品は注目度が高いです。
矢入幸一は、モノクロのオールドカートゥーンスタイルを駆使し、現代社会の周縁や見過ごされがちな存在を鮮烈かつ繊細に描き出すグラフィックアーティストです。デジタルとアナログを巧みに使い分け、シュールな物語性を含む作品は国内外で注目を集めており、今後も活躍が期待されます。