上野裕二郎(うえの・ゆうじろう)は、東洋的な「気」の思想と西洋絵画の素材・技法を融合させ、実在と非実在、具象と抽象のあわいに漂う存在を描き出す現代画家です。
その筆勢は、対象を形にするというより、世界を流れる“気韻”を画面上に喚起することを目的とし、神話的な生物や形象を通して、精神と物質、陰と陽といった東西の哲学を織り交ぜた絵画世界を提示しています。
沖縄県立芸術大学、東京藝術大学大学院で絵画・美術教育を修めた後、国内外で活躍を展開。マカオ藝術博物館への収蔵、国際アートフェアへの参加、画材メーカーのアンバサダー就任など、その活動は多方面に及びます。
存在の気配を“筆のうねり”に託す独自の表現は、現代における東洋画精神の再解釈としても注目を集めています。
1996年、京都府に生まれる。
2019年、沖縄県立芸術大学 美術工芸学部 絵画専攻 油画卒業。
2021年、東京藝術大学大学院 美術研究科 芸術学専攻 美術教育研究室 修士課程 修了。
学生時代より数々のコンペで受賞。2018年のパリでの国際展にて審査員特別賞、2020年にはリキテックス賞などを受賞。
2021年、東京藝術大学卒業・修了作品展にて【早暁賞】を受賞、作品が買い上げられる。
2023年、代表作《廻瀾 ―二頭の龍―》が澳門藝術博物館(マカオ)に収蔵される。
2024年、画材メーカー・ロイヤルターレンスのアンバサダーに就任。
東京・京都を中心に国内外のギャラリーで個展を精力的に開催し、アートフェアへの出品も多数。
上野の絵画は、「気」という見えざるものを捉えようとする東洋思想に根差しながらも、筆勢や色彩、構成には西洋絵画のリズムが通底しています。
画面上では、実在と非実在、現象と幻象が交錯し、観る者の感覚と思考を揺さぶります。
・存在と非存在を往還する“気”の描写
架空の生き物や龍などを通じて、物質と精神の流動性を表現。筆致のうねりが“気”を可視化する。
・陰陽・東西・具象と抽象の統合
東洋と西洋、美術と哲学、自然と観念などの対立項を抱え込み、画面上に共存させる構造をもつ。
・筆勢による気韻生動の追求
対象の存在感を描くのではなく、その生命のリズムや気配を、重層的な筆使いで呼び起こす。
・歴史や文化を踏まえた現代的再解釈
東洋絵画の伝統に学びながらも、現代における「生」と「イメージ」の問いを作品化する姿勢が一貫。
●《廻瀾 ―二頭の龍―》
陰陽を象徴する二頭の龍が渦巻くように配置された大作。マカオ藝術博物館に収蔵。
●《Clash of Two Spirits −天地の鬩ぎ−》
天地を構成する2つの“気”がぶつかり合うイメージを画面化。筆致と構成が圧巻の躍動感を見せる。
●《Evoke the Invisibles》
“不可視のもの”の顕現を主題とし、抽象と具象が交錯する現代的な祈りのかたち。
●《Phenomenon and Phantasms ー現象と魔ー》
現実と幻想、観察と想像のあいだに漂う存在をテーマとした最新作シリーズ。
上野裕二郎は、確かな技術と哲学的な視座を併せ持つ若手作家として、コレクター・ギャラリー双方から高い評価を得ています。
特に東アジア圏のアートフェア(上海、台北、香港、北京など)において存在感を増しつつあり、今後さらなる評価の上昇が見込まれています。
● 小型作品(P6〜F10):10万円〜30万円前後
● 中型〜大作(F20〜F100):30万〜100万円以上(構成・展示歴により変動)
● 収蔵・受賞作品や龍をモチーフとした代表作は市場評価が特に高く、注文制作もあり
東洋的精神性とコンテンポラリーな構成力の融合は、現代日本画や抽象表現の愛好家からも注目を集めています。
上野裕二郎は、古代の思想と現代の感覚を融合させることで、目に見えないものの「かたち」を描こうとしています。
そこには単なる視覚的快楽ではなく、精神の振動、時間の流れ、世界の相互作用が静かに息づいています。
描かれた存在は、生きているわけではなく、死んでいるわけでもない。
それらはまさに“気”として、画面の中で漂い続け、見る者の感覚を目覚めさせるのです。
その筆跡は、伝統をなぞるのではなく、未来の表現へと向かっている——
上野の作品には、そんな確かな“予感”があります。
気と筆勢の現代画家/龍・幻象・精神性の表現作品ご相談承ります。